こだわり野菜から嗜好品の野菜へ

こだわり野菜とは?

こだわり野菜といえば、有機栽培や自然農法と言ったオーガニックを基準とした野菜を想像すると思いますが、、、こだわり野菜に基準はありません。

慣行栽培であろうと、水耕栽培であろうと、こだわるポイントや目的は、無限に存在し続けます。

事実、自分たちも、就農したての時は、慣行栽培をしていて、その中で、収穫量を求めたり、農薬を散布するタイミングを調整しながら、病害虫の被害を少なくしたり、土壌分析をした結果を見て、理想の数値に近づけようとしたりと、、、ありとあらゆることをしてきました。

そういった過程や想いが込められた野菜であれば、どれも例外なく”こだわり野菜“と言えますし、ブランドとして成り立つ野菜や、産地でみんなが協力して、一定の高基準の野菜も当然”こだわり野菜”です。

ズッキーニ永遠星

こだわりのその先へ

では、こだわり野菜のその先に存在している、”嗜好品“としての野菜の基準はどうでしょうか?

あまり聞き馴染みがないというか、そんな概念すら馴染みがないかと思いますが、、、それは、一流のレストランのシェフや高級ホテルのシェフたちが選び、独占契約をしている”奇跡の野菜“たちのことです。

一流のシェフが選ぶ野菜?ということは有機JASの野菜とか?

そう思う方もいらっしゃるかも知れませんが、有機JASは、あくまで有機栽培である証明に過ぎないため、味や品質を保証するものではありません。

実際、海外の一流シェフたち御用達の農家さんは、すでに、オーガニックや有機という表記を捨てているという話もあります。

何故なら、そういった栽培方法やストーリー性よりも、単純に味だけに特化して、食材を求めているからです。

こだわり野菜から嗜好品の野菜へ

きりちゃんふぁ〜むでも、すでに2年以上前から、味だけに特化させた栽培方法を模索し、昨年、ようやく、自分自身が求めてきた味にたどり着いたズッキーニ(永遠星)は、ミシュランのレストランや、その他の高級レストランなどでも、取り扱われるようになりました。

そして、味を追求すれば追求するほどに、農業とは全く関係ない角度の視点が必要であったり、ある意味、クリエイティブなアート作品を作るような感覚が必要不可欠であることを気付かされました。

さらに、当農園の一番の強みは、”毎シーズン進化する“ところにあります。

通常であれば、ある程度の基準になった栽培技術や土づくりは、安定させるのが当たり前なのですが、自分たちの場合は、一度、成功したら、その技術を残しつつ、さらなる進化をするために、全く新しい試みをいくつか導入しています。

口では簡単に聞こえますが、全く新しい技術を入れるということは、誰に聞いてもわからないし、ネットや資料、先輩農家、種苗会社含めても、知り得ないことをするので、何か問題が起きた時は、全滅するリスクさえあります。

そんなことは、ビジネスで考えれば絶対にあり得ないことですが、、、私たちは”アーティスト“なので、その危険な領域に毎シーズン足を突っ込んでいます(笑)

今でこそ笑えていますが、ここ数年、夜な夜な畑で絶望に打ちひしがれたり、涙も通り越してしまうほどに、無力感を味わったことも多々あります。

そんな、人生や命を削るように研究し、試行錯誤して創り上げた作品たちを”嗜好品“と呼ばずに何と呼べますでしょうか、、、

しかしながら、昨年のズッキーニ(永遠星)は、それを乗り越え、誰も到達できないような領域まで達したと自他共に認めていますが、、、実は、その先が見えてしまったので、今春から、ズッキーニ永遠星プレミアムとして、最上級の野菜を創ることに決めました。

生きた土

進化し続ける野菜

やり尽くした、、、そう思っていた昨シーズンですが、今回は、さらに10工程が追加されました(笑)

すでに、通常のズッキーニ農家さんの3倍以上は、工程が多いのですが、そこからさらに10工程を増やして、本当に隅々まで計算して、こだわり、栽培過程で感じ取った違和感などの感覚を研ぎ澄ませて、また次に進化させる。その繰り返しの毎日です。

おそらく、今春のズッキーニが完璧にできたとしても、それは過去のこととして、さらなる進化を求めるでしょう。

なぜなら、私たちの作っているものは、農産物や商品ではなく、”作品“だからです。

答えはありませんし、満足することはないでしょう。しかし、アート作品だと理解した時には合点がいきました。

これからは、こだわり野菜、美味しい野菜ではなく、【食べる芸術】として、新しい角度から、私たちの作品をみなさんにお届けしたいと強く思っています。

市場価値や市場争い、農家どうしのプライドの削り合い、、、それとは全く別の時間軸で、これからも最高のアート作品を創造していきたいと思います。